2015年12月に50人以上の規模の事業場に義務化されたストレスチェク制度。
2016年11月末までに1回実施することとされており、その期日が迫ってきています。
導入初年度ということもあり、様々な混乱がおきました。
産業医の先生が選任されていなかったり、いらっしゃっても直接やり取りをしたことがないという事業場も少なくなく、何とか実施された事業場、11月末までに間に合いそうにないけれど、年度内には何とか監督署への報告をしたい事業場など様々です。
そのよう中なか、ストレスチェックの実施が終わり、努力義務である集団分析に着手されてる事業場もあります。
しかし、実態としては、何の説明もないまま結果表が産業保健スタッフや管理職に渡され、これを一体どうしたらよいのかと頭を悩ませておられるというお話も少ながらず耳にします。
今回は、集団分析結果をどのように職場環境の改善に活かしていくか。
その手法の一つをご紹介します。
目次
ストレス要因としての職場環境
ストレス要因には職場の環境が大きく影響してきます。
ストレスチェックの質問項目には、仕事の負荷や自由度が入っており、それれらはストレス要因としての尺度の一つになります。
しかし、「職場環境の改善」という大きなくくりでとらえると、その要因はそれだけではありません。
例えば、作業環境(温度や湿度、照明、騒音など)、作業方法(作業スペースや作業姿勢、身体や感覚器官への負荷)、人間関係、組織形態(指示命令系統、責任や権限の仕組みなど)といった大きく分けて4つの要素も含まれます。
それらの現状を把握し、改善ポイントをみつけ、可能なところから改善していく。
あれもこれもと考えると途端に難しくなりますが、何か一つでも改善できるとことから始めていくことが大切です。
職場環境改善のためのヒント集を用いたワークの実施
実際にストレスを抱えている社員さん自身が、何に困っていて、どうすることでそれが解消するかを考えていくことが、職場環境改善のための第一歩です。
会社によっては、意見箱(目安箱)を設置されていたり、職場環境改善について1か月に〇つ提出しなさいと決めごとを作っておられるところもあります。
この「個人がどう思うか」「何に気づいたか」にプラスして、それをどうしていくかを集団で考える機会を設けることで、改善に向けた動力が加速されます。
「職場環境改善のためのヒント集」というものをご存知でしょうか。
メンタルヘルスアクションチェックリストなどと呼ばれていますが、この30項あるチェックリストを用いて、今出来ていることと出来ていないことをピックアップしてもらいます。
そして、出来ている項目に関しては具体的にどんなことができているか、出来ていない項目に関してはどうすることでそれが改善するかを大きめの付箋などに書き出します。
5,6人のグループになって出来ていること、出来ていないこと、どう改善するかを自分が書き出したものをグループメンバーを共有します。
その中で、まずはここから着手しようという項目を3つに絞って、改善ための行動計画を立てていきます。
とまあ、こんな感じで進めていくわけです。
人によってのストレス解消法が異なるように、職場によって、それが同業種であっても、同じような規模の会社であっても、何にどのように着手すればよいか、そしてその改善方法としてどのようなことがあげられるかは10事業場があれば、10の方法が出てきます。
他社がこんな取り組みをしている、あんな取り組みをしている。
他社事例は、自社の取り組みを考えるうえで、思考の幅を広げる材料にはなりますが、そのまま自社の改善策にはなりません。
実際に社員の声を吸い上げるこの方法。
試してみたい事業場は、是非お問い合わせいただければと思います。