3つの予防(メンタルヘルス対策)

メンタヘルス

 

先日ご訪問されていたたいた事業場でのこと。

「安全や衛生に関することで何か実施されていることはありますか?」

「・・・」

目次

ストレスチェック制度?うちに実施義務はないよ。

 

2015年12月から労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が施行されました。

年に1回、労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげる取組です。

あー聞いたことはあるけど、うちは実施義務のある従業員50人以上の事業場ではないから関係ないな。と思われているところも少なくないことと思います。

ただ、精神障害の労災認定件数が年々増加している昨今。実際にご訪問した先の事業場でメンタル不調による休業をされてる方がいらっしゃる、いらっしゃったというお話を聞くことも少なくありません。

先日うかがった事業場で、「50人以上ではありませんが、それに準する形で何をしたらよいか教えていただけますか?」と質問を受けました。

まずは、

 

メンタルヘルスケア 3つの予防

 

メンタルヘルス対策への取り組みを考えるきっかけは何でしょう?残念ながら、実際にメンタル不調者が出たことで、その予防に着手するという企業が多いのが実態です。

3つの予防
・1次予防・・・「積極的な健康の保持増進」及び「仕事による健康障害の防止」
・2次予防・・・健康不全の早期発見、早期対処
・3次予防・・・再発・再燃の防止(職場復帰支援対策を含む)

予防といえば、「早期発見、早期対処だ!」と2次予防をイメージする方が多いのですが、もっとも効果的な対策は1次予防だと言われています。

先にお話しした、「うちは50人以上の規模ではないのですが、何ができるでしょう?」とご相談を受けた事業場などが、まさに1次予防からスタートされようとしている例になります。

 

具体的にはどういうこと?

1次予防とは、「メンタル不調者を出さないための職場の環境づくり」と考えるとよいでしょう。何でも言い合える風通しのよい人間関係づくり、長時間労働の抑制、心身のリフレッシュを目的とした年次有給休暇の取得促進、メンタルヘルス研修の実施などがあげられます。

しかし、例えばインフルエンザ予防のために、日ごろから手洗いうがいをしっかりして、睡眠を十分にとり、予防接種を受けていたとしても、インフルエンザにかかってしまうこともあります。同様に、1次予防を行っていても、メンタル不調におちいる方が出てきてしまうかもしれません。

そこで2次予防です。体調不良者を早期発見し、重症化を防ぐための対策を講じておきます。具体的には、長時間労働者への医師による面接指導、この度スタートしたメンタルヘルスチェック制度などがそれにあたります。

上司や同僚が「ちょっと普段と様子が違う」と気づき、適切な橋渡しをするなども2次予防の一つです。「何だか顔が赤いな」と気づいたら、「熱はないの?早めに病院に行ってみたら?」と声をかけるのと同じです。

そして、3次予防は、「メンタル不調者の治療および職場復帰をどのように支援するか」です。休職中の社員への精神面でのフォローや、復帰する際のリハビリ出勤や残業規制、配置転換、定期的な産業医との面談により再発の予防を行ないます。

 

3つの予防をしていくために

3つの予防が大切なことはよくわかった。ただ、実際どのように組織内で運用していけばよいの?

そんな疑問をお持ちになった方に質問です。あたなの事業場の従業員は10人以上ですか?「(安全)衛生推進者」はいらっしゃいますか?(安全)衛生推進者が選任されていないということでしたら、まずはその選任からはじめてきましょう。

(安全)衛生推進者の選任についてはまた別の機会に書きたいと思います。