年次有給休暇の取得促進。制度導入+αで見せかけの数字からの脱却。

新年度を迎え、数年ぶりに若い方と一緒にお仕事をさせてもらっています。

資料の在庫管理のことを伝えているときに、「何のために在庫管理をするんですか?」という質問を受けたり、伝えていく作業の目的を聞かれることが多くて新鮮でした。

「あーそうだね…。私、目的を伝えてなかったね。」と反省。

何のためにそれをするのか?

何のためにそれをしているのか?

改めて日々している作業の目的を考える良い機会となっています。

ということで、「目的は何なのか?」

全てのことに言えることですが、声高に叫ばれる「働き方改革」、「ワーク・ライフ・バランスの推進」に取り組んでいる企業の方は、今一度「取り組みの目的」を考えてみませんか?

 

目次

年次有給休暇の取得を促進しているけれど・・・

時間外労働の削減とともに、年次有給休暇の取得を促進し、働くときはしっかり働き、休むときはしっかり休むメリハリのある働き方を推進している企業が少しずつ増えています。

お誕生日をメモリアル休暇と称して取得を促しています。年次有給休暇の計画的付与を制度化しました。取得率を責任者や事業場の評価に反映させました。取得目標率を決めて働きかけています。などなど。

しかし、制度を導入し、「取得しよう!」と声をかけるだけでは、休んだ日の分の仕事を別の日に残業をするだけになってしまい、総労働時間は結局変わらないという話になりがちです。

業務量は変わらないままに、「とにかく休もう」と言われるだけでは、プレッシャーからストレスは高まるばかり。

結局、「有給の取得促進?導入したことはあるんですけどねー。上手くいかなかったんですよ。」とやろうとしたけど出来なかったから今はやってない話として語り継がれている企業も多いのです。

 

「何のために」という視点の欠落

何のために年次有給休暇の取得を促進しているのでしょうか?

取得率をあげることが目的なのでしょうか?

例えば、オンとオフのメリハリのある働き方をしてもらい、プレセンティズム(出勤はしているものの体調不良等によりパフォーマンスの悪い状態)による生産性の損失を可能な限り少なくすることが目的だとすれば、取得率向上のための制度導入と同時に何が必要でしょうか。

業務量も多くないのに、ただ単に「年次有給休暇を取得することは悪だ」という雰囲気があり、そのような社内の意識変革のためであれば、制度を導入するだけでも、プレセンティズムを回避する大きな効果があります。

ただ、業務業が変わらないままに休みだけを取得するように言われても、その時間は別の日の残業にスライドするだけの話になります。

 

自分にしかできない仕事

「自分にしかできない」という思い込み。仕事を抱えることでの安心感。

実際、やっている仕事を業務分解すれば、共有できることはありませんか?本当にあなたしかできない仕事ですか?

単なる作業を抱え込んで、自分にしか分からないようにして、自分がいないと困るでしょう。といって自分の存在価値を確保しようとしていませんか?

誰でもできる作業はむしろ誰でもできるように多能工化し、目的も分からずだた蛇足で行っている業務はやめてみる。

生まれた時間でより生産性を高められる工夫やクリエイティブな発想から新たな商品や利益を生み出すことを考える方がより会社として必要とされる人なのではないでしょうか。

企業としても、ただの作業を抱え込んでブラックボックス化している社員を評価するのではなく、オープンに見える化し、誰もが分かるように、出来るように工夫している社員を評価すべきでしょう。

何故なら、リスクマネジメントの観点からも業務のブラックボックス化は非常にリスキーであることは明白だからです。

業務の多能工化は進んでいますか?

今着手しなければ、5年後には悲惨な状況が待ち受けています。

真剣に取り組んでみませんか?