勤務間インターバル制度を取り入れたいと思っているんです

先日訪問した事業場で「勤務間インターバル制度を取り入れたいと思っているんです」と言われました。

香川県で「勤務間インターバル制度」という言葉を人事労務のご担当者から聞いたのは初めてのことでした。

日本では導入している企業が2%程度とまだまだ一般的に知られていない制度かもしれません。

 

目次

「インターバル勤務制度(勤務間インターバル制度)」とは何でしょう。

「勤務間インターバル規制」とは、勤務と勤務の間の時間(1日の最終的な勤務終了(勤時間外労働などを含む)から翌日の始業時までの時間)つまり「休息期間」をきちんと確保しようという規制です。

実際に導入されているEUの例では、原則として24時間につき連続して11時間の休息期間を設けること」が義務付けられています。

これにより、仕事に関する1日の拘束時間は13時間が上限とされ、1日当たりの労働時間を制限することができるというものです。

EU(欧州連合)では1993年に法律が制定され、「EU労働時間指令」において、24時間について最低連続11時間の休息付与が義務づけられています。

現状、36協定の特別条項付き協定を結んだとしても、青天井の時間外労働が可能な状態です。

長時間労働が心身に与える影響は世の中のみんなが認識するようになってきました。

時間外労働が多いということは必然的に睡眠時間が短くなるということで、睡眠時間が十分に確保できなことが問題だと言われています。

最低限の休息時間を確保することを定めることで、最低限の睡眠時間を確保することが可能となるということです。

 

今後導入企業が少しずつでも増えると良いですね

平成29年1月23日の労働新聞にユニ・チャーム株式会社が社員の健康維持と生産性向上を目的に、インターバル勤務制度を在宅勤務制度を開始したという記事が載っていました。

グループ会社に訪問させていただいた時は、10年前から多能工化に取り組まれていた話や管理職に対するマネジメント教育の徹底ぶり、体系的な教育研修制度整備などに驚かされたことが思い出されました。

ユニ・チャーム株式会社では、始業時間を午前8時とする「通年サマータイム制度」や、年次有給休暇の取得促進などに取り組んでおり、2017年1月から開始した「インターバル勤務制度」も働き方改革の一環のようです。

同社の場合、22時以降の勤務を原則禁止とし、退勤から翌日の出勤までに最低8時間の休息時間を従業員に設けることを義務付けています。運用にあたっては、「休息時間を10時間以上とすることが望ましい」としています。

仮に、22時以降に仕事をした場合は、翌朝の出勤時間を遅らせることを認めています。たとえば、23時まで残業した場合、翌朝9時の出勤でよいという具合です。

 

職場意識改善助成金(勤務間インターバル制度コース)の申請受付開始

厚生労働省が「勤務間インターバル制度」導入に関する助成金をの申請受付をスタートしています。

その名も職場意識改善助成金(勤務間インターバル制度コース)。

下記のような概要となっています。

労働時間等の設定の改善(※ 1 )を図り、過重労働の防止及び長時間労働の抑制に向け勤務間インターバル(※ 2 ) の導入に取り組んだ際に、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

※1 労働時間等の設定の改善とは、労働時間、年次有給休暇等に関する事項について、労働者の生活と健康に配慮するとともに、多様な働き方に対応して、労働時間等をより良いものとしていくことをいいます。

※2 本助成金でいう「勤務間インターバル」とは、休息時間数を問わず、就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指します。なお、就業規則等において、○時以降の残業を禁止、○時以前の始業を禁止とするなどの定めのみの場合には、勤務間インターバルを導入していないものとします。

 

対象となる取り組みとして以下のいずれか1つ以上実施することが求められます。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の 整備など)
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • その他の勤務間インターバル導入のための機器等の導入・更新

支給対象となる取り組みは、以下の「成果目標」の達成を目指して実施する必要があります。

事業主が事業実施計画において指定したすべての事業場において、休息時間が「9時以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入すること。

 

詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。→職場環境改善助成金(勤務間インターバル制度コース)

Aii LBORATORYことあいらぼでも、労務管理担当者や労働者に対する研修、勤務間インターバル制度を実現するための生産性向上に向けたコンサルティング、就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の整備など)をお受けしています。

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