どうやって業務の効率化をしたらよいかわからない。
どうやったら生産性が向上するのかわからない。
先日も長時間労働の抑制に関して、「何から手を付けたらいいかわからない」とおっしゃっていた建設業の事業場がありました。
ヒアリングをする中で、残業代を競い合う風潮や年次有給休暇の適当すぎる事後申請など、従業員の意識の低さとそれを許していた会社側の甘さほか様々な問題点があがりました。
まずは3か年での到達目標を数値化して設定してもらい、会社としてこのように取り組んでいくという方針を明確に示したう上で、従業員(と会社)の意識改革のための研修を実施することになりました。
今からの時代は下りのエスカレーターに乗っているようなものです。ただ、乗っているだけでは確実に下がっていきます。
気持ちとしては5段、6段飛ばしに上っていきたいところですが、1段1段スモールスステップを意識して確実にステップアップしていくことが大切です。
そして、1段1段上っているようで現状維持がやっとという状況を脱するために、その足を速める努力が必要になります。
目次
「予約制」の導入で今の悩み解消できませんか?
「業務の効率化」といっても、その方法は様々ですが、「予約制」の導入によって、ボトルネック(砂時計の首のようにその流れを止めてしまっているもの)が解消できるかもしれません。
私が行っている美容院は、ある日を境に「完全予約制」になりました。
きっかけは女性従業員の妊娠でした。産前産後、1年間の育児休業。その間、スポットでの代替要員の確保が難しいため、彼女がいない間をどのように乗り切るかを考えたオーナーの決断です。
個人的にはカットしてもらった日に次回予約をしているので何の問題もなかったですし、ほかのお客さんも想像していたほどの混乱もなく受け入れてくれたようです。
積卸予約制で待機時間削減
国土交通省がトラック運送業者とに荷主向けに、「生産性向上方策に関する手引き」を作成しました。
長時間化しているに待ち時間の削減や、運転以外の積卸作業の高地るかなどの進め方が提示されています。
うちは運送業ではないから関係ない?
そうでしょうか。
あなたが働いている会社でも生産性向上に結びつくヒントがあるかもしれませんよ。
運送業にお話を伺いに行くと、必ず「待機時間」というボトルネックが浮き彫りになります。
運送業における貨物の積卸しのための待機時間の平均は1時間45分。これがトラック運転者の拘束時間の長時間化に繋がっています。
そこで、積卸しの時間を管理し、倉庫の空き状況に応じてとかっく運転者に時間帯枠を予約してもらう仕組みの導入してはどうかというのです。
まずは待機時間の把握や倉庫側で処理できる荷物の量など現状の把握が必要です。
川崎陸送では自社拠点で積卸しを行う運転者を対象に、専用ダイヤルで予約を受け付ける制度を導入しました。その効果として83分だった平均待機時間が36分に短縮したといいます。
業務効率化のためには、運転業務以外の積卸作業に関係する業務など、荷主側の協力が必要なものも多くあります。
「荷主側の準備ができていないために長時間の待機が発生する」という声もよく聞きます。
納期をきっちり守る荷主と何時間も遅れる荷主。
話を聞くほどに、何時間も遅れる荷主のための待ち時間分の人件費を運送業者が当たり前にもっている現状をおかしいと感じています。
長年の慣行から難しいと言われそうですが、約束通りの時間に積み込みできた事業場には〇%割引き、遅れた事業場は10分単位ないし30分単位で〇%割増しといった具合に契約料金に協力の度合いを反映するような仕組みを取り入れるのも一つの方法だと思うのです。
お互いが気持ちよく仕事をできるように
「荷主はお客様だからこちらが強く言うことはできない。」
強くいう必要はないと思いますが、お互いが気持ちよく仕事をできるような強力体制を構築することはWinWinの関係に繋がるのではないでしょうか。
でも… お客様は神様だから…
先日実施したストレスコーピングに関する研修会でIメッセージ、YOUメッセージのワークをしていた時、ペンがとまっている参加者がいました。
その方は営業担当。書けない理由は、思いつくメッセージはお客様のことばかり。「お客様は神様だから文句になるようなことは書けないでしょ。」ということでした。
そんな時は、相手を強く攻めるでもなく、自分の主張を押し殺すでもない、アサーティブ(爽やかな自己主張)な方法でどのように伝えられるかを考えてみます。(簡単な手法があります。「あいらぼ」ではその手法を織り交ぜた研修会も実施しています。)
会社対会社でも同じことです。
因みに「お客様は神様」の本来の意味は
3月8日放送の「有吉&マツコの怒り新党」での「お客様は神様だって、客が言うな」という有吉の発言に賛同が相次いだようです。
「お客様は神様」という言葉は、もともと元は歌手の三波春夫氏が、歌う時の心境を語ったものです。
三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。
三波春夫オフィシャルサイトより
ただ実際は本来の意味を跳躍し、「お金を払ってるんだぞ!客を何だと思ってるんだ!」というシーンを見ることも少なくありません。
「お客様」だから何をしてもよくて、「お客様」だから何もしないでもよい。
そんな足の引っ張り合いよりは、お互いの業務が効率化でき、無駄なストレスを生まないスムーズなやり取りを目指したいものです。
出来たらいいよね。ではなく、一緒に取り組んでみませんか?