「指示かなかなか通らない」「思ったように動いてくれない」そんなとき確認したいこと。

頭を抱える

 

2015年12月に施行された「ストレスチェック制度」。

労働者数50名以上の事業場は、2016年11月末日までに1回はストレスチェックを実施していだだくことが決まっています。

既に実施されているところも多いですが、まだこれからというところもあるかと思います。

この制度の運用をどのように計画するか、頭を悩ませられた衛生管理者を初めとした実施事務従事者などにあたる方は大変なご苦労があったのではないでしょうか。

このような新制度の導入をはじめとした、職場内での業務や仕事の進め方などについて、思うことがあったのでつぶやいてみたいと思います。

 

目次

実務担当者が気になるのは規定をどうしたらいいとか具体的なことだけど・・・

ストレスチェック制度の概要を知っていただくセミナーでお話をさせていただくと、「もっと具体的なことが知りたい」というご意見をいただくことがありました。

「ストレスチェックの概要」についてお話しするセミナーなので、初心者の方に向けた概要説明会なのですが、内容をある程度知っている実務担当者が気になるのは、規程の内容をどのようにしていくかなどの具体的な事柄だったりします。

一人でその業務を進める場合には、自分が具体的なことを知っていればそれで淡々と進めることができます。

ただ、今回のストレスチェックのように、産業医などの実施者、実施責任者、実施事務従事者、事業主、労働者とたくさんのひとを巻き込んで実行する必要があるものに関しては、単純に具体的な内容を相手が知るだけでは人は動いてくれないのです。

 

導入の背景なんて話はいらない?

制度導入の背景。

そもそも、なんでそんな制度が義務化されたのか?

そんな話、業務を早く進めたい実務担当者にはどうでもよいことかもしれません。

ただ、「なぜ導入に至ったのか?」

この部分を押さえておかないと、話をすすめようと思ったものの、相手が思うように動いてくれなかったり、意図しない抵抗勢力が生まれたり、話がフリーズしてことが進まなかったり、余計な時間がたくさんかかることになるのです。

 

例えばこんな例があります

社員さんに何の周知をすることもなく、「ストレスチェクを○日までに実施してね」とだけ伝えていた事業場。

何のために、何故これをやる必要があるのか、そんなことは全く知らされないまま、とりあえず提出してね。

そんな強行実施をしているところもあるようです。

 

が、目的がわからず、ただやれと言われても、「やらなくてもいいならやらないでいっか」と未提出者続出。

実施事務従事者が勧奨を幾度となくすることになるなど、未提出者対応に追われたり。

「義務じゃないんだから、出さない人はし~らない!」と勧奨をしない事業場などは、ストレスチェック制度そのものが機能せず、ただ余計な仕事が増えただけという状況を作ってしまっていたり。

 

のちのちの余計な仕事をどんどん増やすことになってしまっていたり。

 

 

背景何ていいから、具体的な実務を教えて!実務を!

やることは決まっているので、事業場ごとに可能な範囲でどのようにその環境を整えていくのか。

ただ、一人に一台PHSを持たせている事業場もあれば、面接指導の申し込みの電話を事業場内で受けたりしたら、周囲のメンバーに内容が筒抜けという事業場もあります。

事業場ごとに対応策がかわってくるので、具体的な話は事業場内でよく検討していただく他ないというのが現状です。

 

一つ言えることは、「何故やる必要があるのか」という導入目的を皆に理解してもらうことが物凄く重要であるということ。

「目的」を話しているか否かで、その後の実務担当者の労力は随分変わってきます。

自分のやるべきことを淡々とこなすためには目的理解の徹底を!

新制度導入時などに、その業務の担当者となったとしたら。

自分のすべき仕事の具体的な内容を理解するのはもちろんのこと、何故それをするのか、その「目的」をしっかり周囲のメンバーに理解してもらうことが重要です。

まず初めにみんなのベクトルを同じ向きにしておかないと、皆が自分の思う方向に向かって歩いたり、走ったりし始めてからでは、改めてベクトルの向きを合わせるのは至難の業。

中には、自分には関係ないと判断して、歩いたり、走ったりすることもなく、その場にとどまっているメンバーもいることでしょう。

 

結局は自分の仕事をやりやすくするため

ストレスチェック制度に限らず、新制度等の導入の背景や目的をしっかり浸透させておくことは、自分の仕事を楽にするという意味で非常に重要なポイントになります。

まず気になるのは実務の具体的な内容かもしれません。

ただ、職場で運用する際は、目的理解を深めて始めることを意識してみてください。

スタートしてから話が硬直する場面が減り、ご自身の仕事が進めやすくなるはずです。

 

「実務担当者が知りたいのは規定をどうしたらいいとかそいうこと、導入の背景何てどうでもいいのよ。」

そんな言葉を耳にする機会があり、「あ~ それでは後からたくさんの労力を要することになってしまう・・・」

ふとそんなことを思ってのつぶやきでした。